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2002年

ヤミ金融被害の救済と撲滅に向けての会長声明

 出資法違反の高金利で貸し付けを行ういわゆるヤミ金融の被害が深刻さを極めている。ヤミ金融は、次から次へと多重債務者を食い物にし、債務者自身の生活破壊はもとより、債務者の親族等に対する脅迫、追いつめられた債務者の自殺、多数のヤミ金融からの借り入れに端を発する刑事事件の発生等その被害は広範に及んでいる。
 当会は、これまで、埼玉県と協力してサラ金多重債務者相談窓口を設置運営し、また、弁護士会館において月曜から金曜日にわたる多重債務相談窓口を開設して相談体制をとってきた。さらに本年7月には、ヤミ金融被害に対する会員研修会を実施し、同年9月には、出資法違反の高金利営業は公序良俗に違反して契約自体が無効であることを踏まえ、ヤミ金融業者に不当な収益を許さない方針を確認するとともに、民事・刑事両面から断固たる対処を行うことを申し合わせたところである。併せて、ヤミ金融の撲滅に向けて、埼玉県警や埼玉県等に協議申し入れ等行ってきたところである。
 このような中で、本年9月さいたま市内で発生した、多額のヤミ金融等の負債を抱える妻を絞殺したとする事件の加害者が、犯行の数日前に埼玉弁護士会法律相談センターのクレサラ相談窓口に相談に訪れた際に、相談担当者から多数のヤミ金融を含む多重債務の処理について手の打ちようがない旨冷たく対応されていたとの報道がなされた。当会は、以上の報道について相談担当弁護士の対応の内容やその適否については調査中であるが、ヤミ金融被害を背景にこうした痛ましい事件まで発生してしまったことを重く受け止め、ヤミ金融被害の増加や深刻さに対応するための相談、受任、事件処理の体制が未だ十分ではなく、ヤミ金融被害の救済と撲滅に向けて、弁護士会をあげてなお一層取り組む体制を強化することの重要性を改めて痛感するものである。
 そこで、当会としては、増加し深刻化しているヤミ金融被害の救済のために、会員研修を一層強化するとともに、ヤミ金融被害者が早期に相談でき、かつ直ちに依頼が出来る受任処理体制を整備すべく、会を挙げて全力で取り組む決意である。そして、多重債務者を食い物にするヤミ金融業者を社会から一掃し撲滅するために、警察及び行政とも協力しつつ、ヤミ金融業者の情報収集、刑事告発、行政処分申立、不当利得返還請求など、民事・刑事・行政による更なる断固たる法的措置を講ずる所存である。
                  2002年(平成14年)12月10日
                   埼 玉 弁 護 士 会
                   会 長  柳  重 雄



 
   
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