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ドイツ公証人法においては、公証人に教示義務(証書作成法17条等)が課され、教示義務は公証人制度のマグナカルタであるとされているのに対し、我が国においては、教示義務は法的義務とされていない(通説)。
しかし、(1)予防司法という公証人制度の本質的作用からすれば、公証人には、単に当事者の意思表示の結果を録取するだけでなく、その意思表示の形成過程にも注意し、錯誤や詐欺脅迫等の疑いがあればこれを除去し、法的知識の不足があればこれを教示するなどして、法秩序に適った適正な法律効果に向けた意思形成を促すことが当然に期待される(予防司法の帰結)。
そして、(2)公正証書による強制執行が可能とされている根拠となる権利存在の高度な蓋然性、公正性を担保するには、本人に対して公正証書の内容を理解させ、その意思に基づいて作成されていることが不可欠であることは当然である(当事者の手続保障)。
また、(3)我が国においては、公証人法26条、公証人法施行規則13条により法律行為の適法性を調査する義務が存在するものの、法令違反等の具体的な疑いがある場合に限定されている(判例)。
しかし、具体的な疑いの存否については、形式的な書面の審査のみならず、当事者に説明を求めることにより判断されていくべきものであるから、公証人に、当事者と議論をしていくことによって「当事者の意思を探求」し、「事実関係を解明」する義務を課す必要がある。
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