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2006年

上限金利引き下げにおける特例措置に反対する緊急会長声明

 貸金業制度及び出資法の上限金利の見直しを検討していた金融庁は,本年9月5日,貸金業規制法の改正案を自民党の金融調査会や法務部会などの合同会議に正式に伝えた。その内容は,貸金業界の上限金利を利息制限法の上限(元本により年15〜20%)に一本化し,出資法の上限(年29.2%)は年20%に引き下げてグレーゾーン(灰色)金利を撤廃するとしながらも,施行日までに1年,経過期間3年及び少額・短期の融資などに認める特例金利を年28%とする特例措置を最長5年とし,その9年間はグレーゾーン金利は温存されることになっている。
 しかも,利息制限法の金利区分を変えることにより,10万円以上50万円未満で2%幅,100万円以上500万円未満で3%幅の利上げとなるなどの規定が盛り込まれているなど,銀行金利等の市場金利との比較において,利息制限法の制限金利自体も引き下げるべきと叫ばれている中,看過し得ない内容である。
 本年8月24日に開催された金融庁・貸金業制度等に関する懇談会では,特例措置の導入に反対の意見が委員の大勢を占めていたのであり,金融庁の検討結果は,「30万円」又は「50万円」の少額短期,事業者についての数百万数ヶ月,それぞれ20%台後半の特例金利を認めるもので,懇談会の意見を無視するものである。そして,このような金融庁案への不満から,内閣府政務官として規制強化の「推進役」を務めてきた後藤田正純氏(自民党衆院議員)は,政務官辞任すらを表明している。
 さらに,300万人を超えた高金利引き下げの署名,39都道府県及び870を超える市町村議会の高金利引き下げの意見書に現れた多重債務問題を早期に解決しようとの国民の声に逆行するものでしかない。
 今回の改正は,多重債務問題の解決のため,最高裁で相次いで示された貸金業規制法43条(グレーゾーン金利)を否定し,利息制限法での救済をはかったことを踏まえた改正であることから,当会は,本年5月20日付け総会決議,7月14日付け会長声明を行っているものであるが,再度,緊急会長声明として,政府国会に対し,以下のことを求める。

【記】
 1.貸金業規制法43条みなし弁済規定を改正法施行時に廃止すること。
 2.少額短期,事業者特例を認めるべきでなく,本年7月6日,自民党,公明党が共同で発表した
  貸金業制度などの改革に関する基本的考え方で示されたセイフティネットの拡充で対応すべき
  こと。
 3.出資法の上限金利を利息制限法の15〜20%に引き下げ,現行の利息制限法の規制を上回る
  ことのないこと。
 4.保証料などの名義での利息の脱法を認めないこと。

2006年(平成18年)9月6日
埼玉弁護士会会長  蔭 山 好 信

 

 

 
   
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