2005.11.24

イラクへの自衛隊派遣再延長に反対する会長声明

  1. 当会は、「イラク特別措置法」は日本国憲法の平和主義に抵触するとしてその廃案を求め(03年6月25日付会長声明)、法制定後は厳重に抗議するとともにその廃止を求めてきた(同年7月28日付会長声明)。
    また、同法に基づく自衛隊イラク派遣については、同法が憲法に違反するというだけではなく、米英のイラク攻撃が国際法の基本原則に違反していることなどを理由として断固反対し(同年12月12日付会長声明)、当該「イラク特別措置法」の要件も満たしていないとして自衛隊の即時撤退を求めてきた(04年4月21日付会長声明)。
    更に、昨年12月の派遣期間の延長に際しては、自衛隊派遣が継続することによりもたらされる深刻な事態を憂慮して、一刻も早い自衛隊の撤退を求めてきた(同年12月27日付声明)。
  2. ところが、政府は、本年12月14日の延長期間満了を前にして、再度の自衛隊派遣延長を行おうとしている。
  3. 「イラク特別措置法」の違憲性は何ら払拭されていないだけでなく、イラクの現状を見れば、米英軍による攻撃は継続し、「自爆テロ」も後を絶たず、多くのイラク市民が犠牲となっている。また、陸上自衛隊が駐屯するサマワにおいてもロケット弾や迫撃砲による攻撃があり、イラクはいまだその全土が「戦闘地域」といわざるを得ない状況にある。更に、アメリカは航空自衛隊の活動範囲の拡大を求めるなど、自衛隊と多国籍軍との一体化が顕著になってきているとの指摘もなされている。
  4. このような状況下で、自衛隊派遣を再延長することは、イラクに対する米軍の軍事介入に対する加担であることが一層あきらかになり、日本国憲法の下での「平和国家日本」の地歩を一層危うくすることになる。
    よって、当会は、改めて、自衛隊派遣の再延長に反対し、自衛隊の即時撤退と「イラク特別措置法」の廃止を求める次第である 。

2005年11月24日
埼玉弁護士会会長 田中重仁

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